倭迹迹日百襲姫(ヤマトトトヒモモソヒメ)「日本神話の世界」

倭迹迹日百襲姫ヤマトトトヒモモソヒメ

倭迹迹日百襲姫1
神格
予言的巫女
祀られている神社
田村神社(香川県高松市一宮町)
吉備津神社(岡山市吉備津)
倭迹迹日百襲姫2
神徳
諸願成就、家内安全、厄除け、延命長寿
別称
夜麻登登母母曾毘売命(ヤマトトトヒモモソヒメミコト)
系譜
孝霊天皇の娘
詳細
倭迹迹日百襲姫(ヤマトトトヒモモソヒメ)はご覧の通り、非常に長く発音しづらい名前を持った神で、古代の日本では特に重要な役割を担ったと考えられる予言の役目を司ります。

祀られた神社などが殆ど見られず、一般的にはあまり知られていないヤマトトトヒモモソヒメですが生前の社会的な地位は非常に高かったようで、その証拠となるのがヤマトトトヒモモソヒメが葬られたと伝えられている上記の右側の写真の箸墓古墳です。
古墳の規模は一般的に葬られている人の権力で決まるとされており、日本で最も古い巨大古墳とされている全長280mの箸墓古墳はヤマトトトヒモモソヒメの影響力の大きさを物語っています。

古代の世界の予言的巫女と聞くと卑弥呼を思い浮かべる人も多いと思われますが、古墳の規模から推測するとヤマトトトヒモモソヒメは正に卑弥呼のような女王だったのではないかと考えられています。

「日本書紀」の中にもヤマトトトヒモモソヒメは霊能力が強く、聡明で叡智に長けており、第十代祟神天皇(すうじんてんのう)の支配力を支える大きな存在であった事を連想させます。
記録の中に残っている逸話としては全国に疫病が蔓延し、田畑が荒れ、農民が苦しむという事態に陥った際にヤマトトトヒモモソヒメは自らにオオモノヌシを憑依させ「大和の国の主である自分を重く祀れば、必ず国土は平安になるだろう」という託宣をし、それに従って祟神天皇が大三輪氏の祖であるオオタタネコにオオモノヌシを祀らせると疫病がおさまったと伝えられています。
その他にもタケハニヤスヒコが謀反を企てていた際にはいち早く、それを予言し、謀反を未然に防いだという記録もあります。

このようなエピソードや古墳の規模から祟神天皇の治世において大変、重要な役割を果たしていたとされているヤマトトトヒモモソヒメは、大和朝廷の太陽神祭祀が行われていた三輪山の主であるオオモノヌシの妻となった事でも知られています。
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