豊受(トヨウケ)「日本神話の世界」

豊受トヨウケ

豊受1
神格
食物神、穀物神
祀られている神社
伊勢神宮・外宮(三重県伊勢市豊川町)
篭神社(京都府宮津市大垣)
豊受2
神徳
農業、漁業、衣食住の諸産業、開運招福、厄除け
別称
豊受大神(トヨウケノオオカミ)、豊宇気美売神(トヨウケビメノカミ)、豊由宇気神(トユウケノカミ)、豊受気媛(トヨウケノヒメ)
系譜
ワクムスビの子
詳細
豊受(トヨウケ)は日本神話における主神であるアマテラスの御饌(みけ)を調達する役目を果たす神で、伊勢神宮外宮(豊受大神宮)に祀られている穀物の女神です。

日本神話には多くの食物の神が登場しますが、トヨウケはその中でも稲荷神・ウカノミタマと並ぶ代表的な農業神であり、知名度も高いのですが、トヨウケが如何にしてアマテラスの御饌となったのかなどに関しては詳しい記述がなく、「止由気宮儀式帳」にある雄略天皇の夢にあらわれたアマテラスが「私一人では寂しいし、食事も心安らかにとれないから、トヨウケ大神を御饌の神として傍に呼んでほしい」と指示があった事から、雄略天皇が丹波国からトヨウケを迎えて、伊勢の地に祀ったという記録が残っているのみだと言われています。

また、トヨウケの出身地が丹波国となる経緯については「丹後国風土記」に天女の話として記されています。
昔、天女が丹波の泉で水浴びをしていた所、身にまとっていた衣を隠されて天に帰れなくなってしまいます。
そこで天女はある老夫婦の家に身を寄せる事となり、お礼に霊酒の醸造方法を老夫婦に教えますが、醸造方法を知った事によって金持ちになった老夫婦はおごり狂い、天女を追い出します。
こうして泣く泣く放浪の旅にでた天女でしたが、やがて奈具という村に安住の場所を見つけ、死んだ後は奈具社の神として祀られるようになりました。

この奈具社の神として伝えられているのが穀物の女神である豊宇賀能売神(とようかのめのかみ)と言い、この神が伊勢に迎えられた際にトヨウケ大神として祀られるようになったのではないかと考えられています。
スポンサーリンク