栲幡千々姫(タクハタチヂヒメ)「日本神話の世界」

栲幡千々姫タクハタチヂヒメ

栲幡千々姫1
神格
織物の神
祀られている神社
塩沢神社(福島県二本松市塩沢)
椿大神社(三重県鈴鹿市山本町)
泉穴師神社(大阪府泉大津市豊中)
栲幡千々姫2
神徳
安産、子宝
別称
栲幡千々姫神(タクハタチヂヒメノカミ)、万幡豊秋津師比売命(よろずはたとよあきつしひめのみこと)、天万栲幡媛命(あめのよろずたくはたひめのみこと)
系譜
タカミムスビの娘、アメノホアカリとニニギの母
詳細
栲幡千々姫(タクハタチヂヒメ)は機織りの神として知られており、栲幡千々姫の「栲(たく)」とは白膠木(ぬるで)という漆科の木の事で「幡(はた)」とは機織り機をあらわし「千々(ちぢ)」は縮む状態を意味します。

タクハタチヂヒメ自体は祀られている神社も少なく、あまり有名な神ではありませんが「日本書紀」の中ではアマテラスの子であるアメノオシホミミと結婚し、日本神話における最大の出来事のひとつである「天孫降臨」の主役として知られているニニギの母となった女神として記されています。
また、機織りという仕事は古来より女性の仕事として伝えられたものであり、村の祭りなどでは汚れのない乙女が神の衣を織る儀式なども存在したと言われています。
上等な織物は神に対する最高の贈り物でもあり、機織りが得意な女性は神と交信できる神に近い存在だと考えられていたいう説もあります。
このような背景から機織りを行う美しい乙女は神の世界と人間の世界を媒介していたとされ、機織りを行う娘とは単に技能を持った人としてだけではなく、神聖な巫女のようなものとして扱われていました。

尚、美しい織物を司るタクハタチヂヒメは自身も美しい女神として描かれている事が多いようです。
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