五十猛(イソタケル)「日本神話の世界」

五十猛イソタケル

五十猛1
神格
木材の祖神、木種の神
祀られている神社
来宮神社(静岡県熱海市来宮)
度津神社(新潟県佐渡郡羽茂町)
高瀬神社(富山県東礪波郡井波町)
広峯神社(兵庫県姫路市広峯山)
伊太祁曾神社(和歌山県伊太祁曾)
猛島神社(長崎県島原市宮の町)
五十猛2
神徳
農業、林業、材木業、建築業、造船、航海安全、大漁、商売繁盛、開運招福、悪疫退散、厄除け
別称
五十猛神(イソタケルのかみ)、大屋毘古神(おおやひこのかみ)、射楯神(いたてのかみ)
系譜
スサノオの子
詳細
日本は国土の約七割が山地だと言われている非常に緑豊かな土地ですが、特に古代の日本においては山の存在は重要なもので森の神や木の神が多く存在していると考えられていました。中でもこの五十猛(イソタケル)は木の神として最も知られている神だと言われています。

日本には世界最古の木材建築が今も残っており、昔から日本の文化は木の文化であると言われていました。それだけに日本人は樹木を神聖なものだと考え、長い年月を生きた巨木には神が宿っていると信じられています。
このように通常、木の神と言えば樹木に宿っている神を想像する事が多いのですが、イソタケルは数千年生きた巨木などの特定の木に宿っている神ではなく、樹木全体すなわち木種を司る神とされ、人間が使う道具や建物の材料として用いられる木材の祖神でもあります。

イソタケルの父は三貴子の一柱であるスサノオであり、スサノオが高天原を追放された際に父と共に朝鮮半島の新羅国へ移り、層尸茂梨(そしもり)の地に住みます。
しかし、間もなく新羅国で暮らす事に嫌気がさしたスサノオは土の船で日本へと戻る事にし、イソタケルも共に日本へ戻りますが、この時、イソタケルは多くの木種を新羅国に植える事無く日本に持ち帰り、日本全国にその種を植えたので現在のような緑が溢れる土地となったと伝えられています。

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