天鈿女(アメノウズメ)「日本神話の世界」

天鈿女アメノウズメ

天鈿女1
神格
芸能の神、俳優の神、舞楽の神
祀られている神社
椿岸神社(三重県鈴鹿市山本町)
芸能神社(京都市右京区嵯峨朝日町)
千代神社(滋賀県彦根市京町)
佐倍乃神社(宮城県名取市愛島笠島)
志波姫神社(宮城県古川市桜の目)
佐留女神社・猿田彦神社境内社(三重県伊勢市宇治浦田町)など
天鈿女2
神徳
芸能上達、武芸全般の守護
別称
天宇受賣、宮比神(ミヤビノカミ)、大宮能売命(オホミヤノメノミコト)、おたふく、おかめ
系譜
不明
詳細
天鈿女(アメノウズメ)は太陽神であるアマテラスが天岩戸に隠れた際に外で情熱的な舞を踊る事によってアマテラスの注意を引き、戸を開けさせた神として知られ、そのエピソードから現在も芸能の神として崇められています。

元々、このアマテラスが天岩戸に隠れたという話は日の神の力が弱まった事を意味すると言われ、この神の力を回復させる為に神の前で奉じる舞こそが神楽(かぐら)の始まりであると言われています。
このような理由からアメノウズメは神楽の祖神とされ、神楽から様々な芸能が発生した事からアメノウズメは芸能の神とも呼ばれるようになりました。
また、アメノウズメが俳優の神とも言われているのは「日本書紀」に「巧みに俳優(わざおぎ)をなし」と記されている事が由来です。
この「俳(わざ)」という言葉は神のわざ(所作、行為、技)をあらわしており、まるで神が乗り移ったような振る舞いを指します。
次に並んだ「優(おぎ)」とは招くという意味があり、「俳優」とは神霊を招いてもてなすだけでなく、人々を楽しませるという意味も含まれていると言われています。

宮廷で行われる葬礼で奉仕する芸能民を統率する氏集団に「猿女(さるめ)」が存在していますが、この猿女氏の祖先こそがアメノウズメだと言われており、猿女一族は朝廷と深い結びつきを持っている事で知られています。
神話によるとアメノウズメは天孫降臨の際にサルタヒコと出会い、二柱は結婚する事となります。その後、サルタヒコの故郷のある伊勢国(現在の三重県)に移住し、宮廷祭祀の鎮魂祭や大嘗祭などに関わる猿女君の祖神になったと伝わっています。
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