天児屋根(アメノコヤネ)「日本神話の世界」

天児屋根アメノコヤネ

天児屋根1
神格
言霊の祖神、祝詞の祖神
祀られている神社
枚岡神社(大阪府東大阪市出雲井町)
春日大社(奈良市春日野町)
大原野神社(京都市西京区大原野南春日町)
吉田神社(京都市左京区吉田神楽岡町)
蜂田神社(大阪府堺市八田寺町)
五社神社(静岡県長浜市利町)
天児屋根2
神徳
学業成就、開運厄除、諸願成就、出世開運、国家安泰
別称
天児屋根神(アメノコヤネノカミ)、天児屋命、天之子八根命
系譜
コゴトムスビの子
詳細
天児屋根(アメノコヤネ)は祝詞(のりと)の祖神として広く知られている神ですが、この祝詞とは神社の祭礼や地鎮祭などの儀式の先に神主が唱えるものを指します。具体的には神の力に感謝し、称える言葉を申し上げ、更なる幸運の導きを願うものとされています。
しかし、元々の祝詞とは儀礼の場で神人が神の意志を伝える呪力のある言葉とされており、現在の神主が唱えているものは祝詞の中の寿詞(よごと)と呼ばれているものに近いと言われています。

アメノコヤネの登場するエピソードのひとつとして有名な天岩戸の話があります。
天岩戸の話において、アメノコヤネは天岩戸に隠れたアマテラスの憂鬱な気分を晴らす為にアマテラスの美しさや偉大さを最大限に褒め称えたとされ、この時のアメノコヤネの言葉は太祝詞(ふとのりと)と呼ばれ伝えられています。
一般的に知られている天岩戸の話ではアメノウズメの舞がアマテラスの気を引き、岩戸から出す事に成功したと伝えられていますが、アメノコヤネの太祝詞もアマテラスを大いに喜ばせ、問題解決に一役買ったとされています。
また、アメノコヤネはニニギの天孫降臨の際に付き従った神の一柱としても広く知られており、「日本書紀」の中では中臣氏(のちの藤原氏)の祖神と記され、現在も藤原氏の氏神を祀る春日大社の祭神として祀られています。
スポンサーリンク