天照(アマテラス)「日本神話の世界」

天照アマテラス

天照大神1
神格
太陽神、高天原の主神、皇祖神、日本の総氏神
祀られている神社
伊勢神宮(三重県伊勢市)
天照大神2
神徳
あらゆる神徳を発揮するとされています。
別称
天照大神、天照大御神、天照皇大神、お伊勢様、神明様など
系譜
イザナギの子
詳細
天照は数多いる日本の神々の中でも最も高い位にいる女神で、有名な「天岩戸神話」の主役としても知られています。
名前の「天照(アマテラス)」とは「天に照り輝く太陽」を意味しており、その名の通り、天照大神は太陽神であり、日本の皇室の祖神としても祀られています。

天照大神はイザナギが日向(現在の宮崎県)の阿波岐原(あわきはら)の海で全身を清め、最後に左目を清めた際に生まれたとされる女神で、この時に夜を支配するツキヨミと青海原を支配するスサノオも一緒に生まれたとされています。
この美しい女神の誕生に大いに喜んだイザナギは自分の首にあった玉飾りを天照大神の首にかけてやり、「高天原(たかまがはら)を支配しなさい」と命じました。こうして、天照大神は高天原を治める事となったのです。

天照大神の最も有名なエピソードとしては「天岩戸隠れ」がありますが、その概要はこうです。
弟のスサノオが天照大神が治める高天原で暴れまわり、その暴力を恐れたアマテラスは洞窟に隠れて、岩戸でぴったりとその洞窟の入口を閉ざしてしまいます。
太陽神である天照大神が隠れてしまった事で世界は闇に覆われ、国中に災いが広がっていきます。困り果てた神々はどうにかして天照大神を洞窟から出す為に誘い出す方法を考えます。
こうして、案がまとまった神々は洞窟の目の前で鏡などの様々なお供え物を用意し、アメノウズメ神が妖艶な踊りを舞い、それを見ながら神々は楽しそうに笑います。
その騒ぎに興味がでてきた天照大神は岩戸を少し開け、外の様子をうかがい知ろうとします。
その時、力自慢のアメノタヂカラオ神が僅かに空いた岩戸に手をかけ、一気に戸を開けると太陽は元のように天に輝き、世界に明るさが戻ったのでした。

以上が天岩戸隠れの概要ですが、古代の人々はこの「太陽が隠れる」という行為と太陽のエネルギーが弱くなる冬至の頃を重ねていたと考えられています。
農耕民族にとって植物を実らせる太陽の恵みは何よりも大切なものであり、輝く太陽の象徴である天照大神は大地の豊穣をも意味します。この事からアマテラスは、太陽神としてだけでなく、大地母神としての側面も持ち合わせていたのではないかと言われています。
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