豊玉姫(トヨタマヒメ)「日本神話の世界」

豊玉姫トヨタマヒメ

豊玉姫1
神格
水の神、聖母神、福の神
祀られている神社
綿津見神社(高知県高岡郡檮原町)
高忍日売神社(愛媛県伊予郡松前町)
与賀神社(佐賀県佐賀市)
諏訪神社(山梨県南都留郡中野村)
海神神社(長崎県上県郡峰町大字木坂)
鹿児島神宮(鹿児島県姶良郡隼人町)
豊玉姫神社(鹿児島県川辺郡知覧町)
豊玉姫2
神徳
農業、漁業、畜産、航海安全
別称
豊玉比売命(とよたまひめのみこと)、豊玉媛命
系譜
海神(わたつみのかみ)の娘、ウガヤフキアエズの母
詳細
豊玉姫(トヨタマヒメ)の名は見目麗しい美しい女性という意味で、山幸・海幸物語の中は海の神の娘であり、タマヨリヒメの姉として登場します。

山幸・海幸物語のトヨタマヒメは釣針を探して龍神の宮にやってきた山幸彦の美しい姿に一目惚れし、結婚を迫ります。その後、無事に父神に結婚を許され、二人の間にはウガヤフキアエズが生まれます。
トヨタマヒメはこの結婚によって夫に海の神の霊力を授け、兄である海幸彦を降伏させる事によって、夫である山幸彦に地上の王となる資格を授けます。
このような功績から豊玉姫は富と権力を与える福の神であるとされ、子であるウガヤフキアエズは神武天皇の父となるなど聖母神としての側面も持っています。

トヨタマヒメの神話は昔話の浦島太郎と似ている部分があり、龍神の宮に来た山幸彦を浦島太郎、美しい乙姫様をトヨタマヒメを考えると、山幸彦が三年間、龍神の宮でもてなしを受けた後に釣針と宝物を貰って地上に帰るという点も話が重なっています。
また、トヨタマヒメがお産の際にお産している姿を決して見ないようにと注意したにも関わらず、好奇心にかられて山幸彦が中を覗くと、そこには大きなワニがもがきながらお産をしている姿があった。という部分などは「鶴の恩返し」などに通じる「見るな」というタブーが記されています。
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